【コロナ清浄国だったのに…】ベトナムの第4波に足止め食らったサムスン・LG　ベトナム「企業側がワクチン購入して」と要求

　一時は「コロナ清浄国」と呼ばれていたベトナムで、ここに来て新型コロナウイルスの感染拡大が深刻になり、サムスンやLGなど現地に進出している韓国企業が非常事態に陥っている。韓国企業がある一部地域では、政府の措置により工場勤務者の通勤が禁止され、生産にも支障が出るとみられる。

■現地社員の通勤を止められたサムスン・LG

　IT業界によると、ベトナム北部のバクニン省は2日から、地域内にある全ての工場の労働者に対し、通勤を禁止する措置を取った。先月27日から始まった地域感染の第4波が予想より速いスピードで拡大している上、変異ウイルスまで確認されたため、現地企業の反発を押し切って移動中の対面接触を最低限に抑え、拡大を阻止するというわけだ。

　今回の措置により、バクニン省に工場のあるサムスン電子は、2日からの操業に早速影響が出ることになった。バクニン省の工場はサムスン電子の年間スマートフォン出荷台数の約半数を生産する中心的な生産基地だ。IT業界と現地メディアによると、サムスン電子バクニン省工場は全社員2万人のうち約半数が外部地域から通勤していることが分かった。サムスンは工場近くの学校・ホテルを活用し、必要な生産人員を最大限受け入れる計画だが、工場の稼働率低下は避けられない状況だ。サムスン電子としては、先月ベトナムのバクニン省にある協力会社の工場で40人以上の集団感染が発生して稼働が中断し、部品の供給が減少した状況で、完成品の生産工場まで打撃を受けたわけだ。サムスン電子側は「当面、一部の生産への影響が予想される」として「事態の長期化に備えた対応策を検討している」と明らかにした。

　ベトナムはこれまで、新型コロナの新規感染者数が一桁にとどまっていた。しかし、先月に入って急速に感染が拡大し、1日平均200－300人に急増した。累積感染者数6856人のうち、半数以上がここ1か月の間に発生している。

　他の企業も最近、新型コロナの感染拡大によって危機に陥っている。LG電子はベトナム北部ハイフォンに家電・自動車部品の生産工場がある。この工場にもバクニン省地域の居住者が多数勤務していることが分かった。このためLG電子は工場の周辺に、バクニン省に住む社員らが滞在できる宿泊施設を準備している。

■ベトナム「企業側がワクチン購入して」と要求

　現地の韓国企業各社は、新型コロナの防疫に関する負担まで背負っている。ベトナム中央政府と地方政府は、各企業に対し、ワクチンを購入するよう要求しているのだ。ベトナム政府は最近、1億5000万回分のワクチンを確保するために、11億ドル（約1200億円）規模のワクチン購入ファンドを造成すると表明したが、ほとんどが企業からの支援によって賄われる見通しだ。社員の移動制限措置に伴う臨時の宿泊施設の準備費用も、全て企業側が負担しなければならない。

　財界関係者は「サムスン・LGなど大企業にとっては、相対的にコロナ関連費用の負担は重くないだろうが、規模の小さい中小企業にとっては打撃が大きい」として「現地政府の防疫の失敗を韓国企業が背負っている状況」と話した。

チェ・インジュン記者

チョソン・ドットコム／朝鮮日報日本語版 記事入力 : 2021/06/01 22:03
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/06/01/2021060180192.html

そして、世界中をグルグル3周以上しそう