【ワクチン交差接種】ファイザー接種者が３回目にモデルナを打つと中和抗体が３１・７倍になるのに対し、ファイザーでは２０倍

新型コロナウイルスワクチンの３回目接種では、これまでに接種したワクチンとは異なる種類を打つ「交差接種」が増える見通しとなった。
熊本県内ではこれまで、各市町村に配られたワクチンは全て米ファイザー製だったが、来年２、３月分は半数近くを米モデルナ製が占めるためだ。

県や熊本市は「交差接種の方が、感染を防ぐ中和抗体が増えるという結果が出ている」と説明するが、
同時に２種類のワクチンを扱う医療現場からは、煩雑さを増す業務に戸惑いの声も上がっている。

１２月１日から医療従事者が先行して始まった３回目接種は、来年１月から順次、高齢者や一般市民へも広がる見込み。
国から県内の市町村に配分されるワクチンは、１月分までは全てファイザーだが、２、３月分の約４５％はモデルナ。

県によると、１１月２８日までに２回接種を終えた人の内訳は、ファイザーが８７％の約１２０万人であるのに対し、
モデルナは１３％の約１８万人にとどまる。

国はこれまで、同じ種類のワクチンを２回打つことを原則としてきたが、１１月に交差接種を容認した。
厚生労働省のワクチン分科会に米国の臨床試験のデータが示され、「交差接種の方が感染を防ぐ中和抗体は増えている」と報告された。

県によると、臨床試験ではファイザー接種者が３回目にモデルナを打つと中和抗体が３１・７倍になるのに対し、ファイザーでは２０倍。

またモデルナ接種者が３回目にファイザーを打つと１１・５倍だがモデルナでは１０・２倍となった。副反応も差は無いとしている。

若い世代ではモデルナの副反応が大きかったこともあり、希望がファイザーに集中するなどの偏りも懸念される。
国では接種の前倒しも議論されており、３回目接種を巡る混乱は続きそうだ。
https://kumanichi.com/articles/494755

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