コロナ大流行で明らかになった韓国の未熟な民主主義

そして、防疫当局は「昨日に次いでワクチン・パスの未確認に関しては罰則は適用しない」と述べた。

「withコロナ」になれば感染者が増えることは、誰しも予測できたはずだ。

それなのに、ワクチン・パスなどという、
以前より人々の自由を拘束する政策を打ち出した政府に対して、韓国の国民も反発し始めている。

真っ先に異を唱えたのは、学生たちの親である。

塾もワクチンパス対象であることに反発し、
「ワクチン・パス政策は、青少年のワクチン接種を事実上義務化し、
青少年の身体の自由および一般的な行動の自由権や学習権、塾の営業権などを侵害する措置」
と主張した。

共にする私教育連合・全国学父母団体連合は12月17日、
ソウル行政裁判所に「ワクチン・パス政策をやめてほしい」という内容の処分取り消し訴訟を起こしている。

これまで韓国の文在寅大統領は、「K防疫」を自画自賛し、
産業通産部では2020年に「K防疫モデル」を世界標準にするとまで言っていた。

しかし、12月16日時点で、文在寅大統領は新型コロナウイルスに関連し、任期中5回目の対国民謝罪を行っている。

ソーシャル・ディスタンスの強化で、防疫処置が後退したことに対して謝罪した
（文在寅大統領が直接言ったわけではなく、スポークスマンが代わりに謝罪した）。

これに関して、青瓦台の国民請願サイトには、
「ワクチン・パス違反に関してなぜ違反した人ではなく、自営業者に過怠料を科すのか」
という請願が掲載された。

＜つづく＞

利用者は10万ウォン（約1万円）なのに対し、自営業者には150万～300万ウォン（約15万～30万円）の罰金に加え、10日間の営業停止処分となる。

筆者は、来週政府関連の会議の通訳として参加する予定だが、その前に第2次ワクチン接種から6か月以内かどうかの確認があった。

筆者のパートナーが私的な事情によって予防接種をしていなかったため、
結局、私のパートナー（同時通訳は2人1組）はほかの人に交代させられてしまった。

PCR検査を受けて、その証明書を出すと申し出たものの、クライアントに拒否されてしまったからだ。

冒頭で述べたグーグルの場合は、米国だから個人の自由が認められるが、韓国ではそんなことは言っていられないのだ。

就活をしている人たちにもワクチン・パスは影響している。

企業側が「ワクチンを接種していない人は選ばない」と書いていたり、
すでに内定が決まっていた人にさえ、ワクチンを接種していないと内定を取り消される場合もある。

雇用労働部（部は日本の省に当たる）では、
「採用公告にワクチン接種者を条件にしたり、面接でワクチン接種を聞くことは、事業場の必要に理解できる」
と述べている。

つまり、企業がワクチン・パスがないという理由で、解雇しても問題がないということである。

ワクチン・パスを拒否する市民の動きが大きくなっている中で、
政府のワクチン政策をセウォル号の大惨事になぞらえて描いたポスターも出てきた。

セウォル号は、朴槿恵前大統領を弾劾させるきっかけとなり、文在寅大統領を誕生させたフェリー沈没事件である。

ポスターには、「動かないで待機してください。政府を信じて接種してください」と大きく書かれている。

その下には「取り戻せない災難はセウォル号一つで十分です。ワクチン義務接種およびワクチンパス反対の会」と書かれている。

「動かないで、待機してください」は、
セウォル号が沈没することを知っていながら、船長が真っ先に脱出する際に出された船内アナウンスだ。

その言葉を信じて船の中にいた当時の乗客が結局、帰らぬ人となってしまったことを痛烈に皮肉っているわけだ。

これまで散々現政権は悪いことがあれば全部前政権がやったこと、または前政権のせいで悪い結果になっていると主張してきた。

だが、今回ばかりは韓国民も現政権に対して不信感を募らせているようである。

＜終わり＞

ああ、選択の自由を民主主義と同義だと解釈してんのかね

～～～～～～～～ 終了 ～～～～～～～～