歯科衛生士「コロナ前と比べて口が臭えやつが増えた」

日常的にマスクをする生活が、もう1年以上も続いています。さらには会話の減少や自宅でのリモートワークの普及により、間食も増加。生活の変化による口腔の健康状態は、どのように変化しているのでしょうか？

歯科衛生士の6割は、患者の口腔状態の悪化を実感していた

この状況下に日本フィンランドむし歯予防研究会では、マスク着用によって刺激唾液（※）の分泌が減っている可能性と、その影響に着目。全国の歯科衛生士200人を対象に「唾液と口腔のコロナ禍前後の変化に関するアンケート調査」を実施しています。
まずはコロナ禍前と比較して診察時に歯ぐきの腫れやむし歯など、患者の口腔状態の悪化について質問したところ、左の結果となりました。

※匂いや味覚、噛む、温度などの刺激によって分泌される、サラサラした唾液。

コロナ前と比べて、口腔状態が悪化していると「とても感じる」「感じる」と回答した人の合計は、全部で61.2％に。さらに診察時「唾液が少ない・口の中が乾いている患者さんが多いと感じることはありますか？」との問いに「とても感じる」「感じる」と回答した人の合計は、71.2％となっています。
日本フィンランドむし歯予防研究会によると、刺激唾液には抗菌作用のある物質が多く含まれており、口腔細菌の増殖を抑える働きがあるそう。つまりその分泌が減ってしまうと、口腔の健康が損なわれる可能性が高くなります。

刺激唾液の分泌低下は、口臭の悪化にもつながっている

さらに口腔の健康状態の中で気になるのは、口臭について。マスクのおかげで口臭がダイレクトに伝わりにくくなりましたが、実際の状態はどのように変化しているのでしょうか？
同調査ではこちらも歯科衛生士を対象に「診断時、口臭が気になる患者さんが増えたと感じることはありますか？」と質問。結果は左の通りとなりました。

なんと、「とても増えた」「増えた」と回答した人の合計は60.7％に！やはり刺激唾液が少なくなることで、むし歯や歯茎の腫れ、口臭といった口腔健康状態の悪化を招くようです。

日本フィンランドむし歯予防研究会によると、刺激唾液の分泌には有効なのは咀しゃくだそう。よく噛んで食事をすることで、咀しゃくに味覚への刺激も加わり、刺激唾液が多く分泌されます。食事以外でもチューインガムを利用すると、さらに分泌がすすむといいます。

コロナが終息し、マスクを外して思い切り会話ができるその日まで、ぜひ刺激唾液をたくさん分泌し、口臭ケアをしておきましょう。

https://news.yahoo.co.jp/articles/7d7bb1a8577c62e4240d3ec3d6c18f317c598d07