【ラーメン】ニューヨークで熊本「桂花ラーメン」の偽物を発見！丸パクリのうえに不味い「残念な理由」

人肌ほどのぬるいラーメンに驚愕

偽・桂花ラーメン

　ぬるいスープ、伸びきった麺、うまみ調味料たっぷりの味。一口食べると「まずい」という感想がこみ上げてくるが、声を出さぬようグッとこらえた。これはニューヨークの偽・桂花ラーメンを食べた感想だ。

　ラーメンの見た目は豚骨スープのような色合いだが、味は焦がしたニンニクの味が濃く、うまみ調味料(グルタミン酸ナトリウム、通称MSG)のおかげで、かろうじてラーメンという名前になっている。麺は黄色いが、だからといって卵つなぎ麺ではなく、おそらく小麦粉ベースにターメリックで着色されただけの麺だろう。かんすいを使ったつるつるとした量産型の縮れ麺だったが、注文時に麺の硬さを聞かれることもない。ゆで時間を変えることでたいしてコシが変わらない麺なのだろう。

　麺もスープもテーブルに置かれたときから人肌くらいの温かさだった。きっと、そのままラーメンの器に顔をひたしても熱さは感じなかっただろう。ただし、スープの温度に関しては、アメリカでは(州により微妙に違うが)、法律でチャーシューなどトッピングの保管温度を低くしておかなければいけない。だからアメリカでのラーメンは、スープの上に並べるトッピングが低温なので、熱いスープに並べていくと出来上がりでどうしてもぬるくなってしまう傾向がある。だが、今回の偽・桂花ラーメンは度が過ぎてぬるかったのは確かだ。

　狭い店内は、カウンター5席、テーブル2つ(6席)が置かれている。ただし、ニューヨークでは新型コロナにより、店外飲食の席を大幅に認めたので、その名残としてテラス席が12席ある。ニューヨークではワクチンが普及する前まで、行政が飲食店に対し、まずは店内営業を禁止にしてテイクアウトのみ、次にテラス席のみ、その次は営業できる店内のキャパシティの割合を増やしていった。具体的には、入店可能人数を店内席の25％まで、50％まで、75％まで、といった具合に感染状況に合わせて規制を緩和していった。空気がこもりやすく、新型コロナ感染の恐れの高い店内飲食が100％解放されたのは5月21日になってからだった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/64947186c4da59a7f8444a02f5fa4e76df13c95d

6/4(金) 6:02配信

　食べ進めていると、後ろの韓国系の親子2人連れの頼んだラーメンからはもくもくと湯気が出ている。自分が頼んだ、偽・桂花ラーメンからはいっさい湯気がなく、やはり腑に落ちない。

　「あれはなんのラーメンですか？」と中国系の女性店員に聞いてみるも、「ベジタブル・ラーメンです」とだけの返答。スープの熱さなどなんでもいい、決まりなどない、という感じだ。客によるラーメンの“温度差”に、明確な意図はないのだろう。

　そもそも後ろの韓国系の客は着席してから「子供にも食べられるものはなんですか？」と店員に質問をしていたが、店員がベジタブル・ラーメンを勧めて、客もそのままベジタブル・ラーメンを注文していた会話も意味不明で、「おっ、おう」という程度でしか理解できない。

　スープの温度についてはあきらめかけたが、振り向いてもまだ湯気が出ているので「あのラーメンには湯気が出ていていますね」と女性店員に再度聞いてみた。しかし店内のメニューを指さし「ここにあるベジタブル・ラーメンです」と笑顔で厨房に入っていく。もはやラーメンの“湯気問題”は、女性の笑顔で打ち消された形だ。

　働いている人は、ラーメンの厨房に1人、店内の注文などに1人の2人体制だった。注文を受けていた笑顔の中国系の女性は片言の英語しか話せず、店内の注文とデリバリーの注文を一人で切り盛りしている。

　ラーメンを作っていた中国系の男性は、筆者が日本人だとわかったのか、厨房から一切出てこなくなった。おそらく余計な質問をされたくなかったのだろう。ただでさえ、ニューヨークにいる移民したての中国人男性は言語の問題もあり寡黙な人が多い。

「日本のラーメンです」

　一般的に、英語でなくても母国語でも、思いを言葉にできない人は、どこか我慢している可能性が高い。詰めると突然キレられる場合があるので、質問は常に笑顔の中国系女性だけにした。

　「このラーメンは日本からですか？」
「日本のラーメンです」
「同じ味ですか？」
「同じです」
「……」
「なぜなら彼が日本で働いていたからです」

　どうやら奥の厨房にいた中国系の男性は日本で働いていたようだ。おそらく、労働目的で日本に入国して働いていた“留学生”だろう。もしくは技能実習生。しかしもし彼が、日本の桂花ラーメンで技能実習生として働いていたのなら笑いごとではない。日本の桂花ラーメンでラーメンの技能を身につけ、名前も丸パクリしてニューヨークで「桂花ラーメン」をオープンさせていたことになるのだから。

　ただし、中国系の女性店員は「日本の『桂花ラーメン』で働いていた」とは答えていないので、日本のどこかで働いて日本の「桂花ラーメン」を食べただけ、という可能性も否定できない。

　日本の桂花ラーメンは、公式ブログで「ニューヨークにあるらしいフェイクショップ。コラボでもインスパイアでもありません。残念です。桂花のロゴ・メニュー名を使ってるようですが御注意ください。全く関わりありませんので弊社へクレーム等はご容赦ください。。。」(2021年3月21日)と写真を付けて投稿している。