【特集】八百長に誘われた選手の告白「トイレに来い、と」 スポーツ賭博の闇

内田快 稲垣康介2025年5月24日 15時00分

写真・図版
スポーツベッティングサイトの画面。テニスの試合が賭けの対象になっている=西岡臣撮影

　スポーツの勝敗などを対象にした「スポーツベッティング（賭博）」が、デジタル技術の進歩や違法市場の排除の流れを受けて、世界中で広がっている。

　2024年にベッティングサイトで賭けの対象となった、スポーツの市場規模（一般財団法人「スポーツエコシステム推進協議会」調べ）を競技別に見ると、サッカーが121兆円で断トツ。バスケットボール（31兆円）、テニス（28兆円）と続く。野球は7兆円、卓球は4兆円にのぼる。

　スポーツ界で巨額の賭け金が動いている中、個人競技であるテニスでは、賞金額の少ない下部リーグの選手たちにスポーツ賭博の「闇」が迫っている。

　「わざと負けたら（約）100万円。興味があったら、会場のトイレの●個目に来い」

　7年ほど前、中国であった国際テニス連盟（ITF）の下部ツアーに出場した日本人の男子選手A（31）のスマートフォンに、英語でダイレクトメッセージ（DM）が届いた。

　選手はこう振り返る。

　「怖くてすぐにDMを消しました。優勝賞金が20万円くらいの大会だったかな。（八百長の誘いに）乗ってはないけど、その試合は負けてしまいました」

八百長に誘われた選手の告白「トイレに来い、と」　スポーツ賭博の闇：朝日新聞

スポーツの勝敗などを対象にした「スポーツベッティング（賭博）」が、デジタル技術の進歩や違法市場の排除の流れを受けて、世界中で広がっている。　2024年にベッティングサイトで賭けの対象となった、スポー…

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