世界都市ランキングで東京が7年連続3位…失った強みと改善した弱みとは？

＜深掘りこの数字＞

　世界主要都市の総合力ランキングで、東京は7年連続3位?。2008年の調査開始以来順位に大きな変化はないが、各国の新型コロナウイルスへの対応の違いも影響しているほか、東京の強みや弱みも変化していることがうかがえる。

◆「働き方の柔軟性」低下
　ランキングは、森記念財団都市戦略研究所による調査で、「経済」「文化・交流」「居住」「環境」など全6分野の70の指標で総合評価した。48都市中1位はロンドン、2位はニューヨークだった。
　東京の評価を項目別に見ると居住では、前年評価が高かった「働き方の柔軟性」でスコアが下落。前年と比べ、在宅勤務から出社に切り替わるケースが増えたことが背景にありそうだ。経済では「賃金水準の高さ」などビジネス環境の指標でも評価が下がった。5年前との比較では、強みの「世界トップ500企業」「研究者数」のスコアも落ち込んだ。
◆訪日客の増加は追い風に
　一方で明るい要素も。東京五輪開催や各地で進む都市再開発の後押しで、「従業者数」「ホテル客室数」は5年前よりもスコアが伸長。新型コロナで慎重だった水際対策が緩和され、インバウンドも増えていることから「買い物の魅力」「食事の魅力」などは今後大きく回復しそうだ。
　今後の課題として、同研究所はグローバル人材と外国資本の誘致を挙げる。担当者は「治安の良さなどから働きたい都市としての評価は高い。法人税増税などが挙がる中、ビジネスしやすい環境を整えることが重要」と話している。（並木智子）

東京新聞　2023年1月8日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/223827