ハイリスクの高齢者どう守る　施設などで対策カギに　コロナ5類移行

新型コロナウイルスが感染症法上の「5類」に引き下げられた。特別扱いは終わり、通常医療へ近づいていく。医療現場の混乱や感染拡大の懸念がある中、高齢者らハイリスクの人たちの命をどう守っていったらいいのか。

　すでに始まっているともされる第9波の規模は、昨冬の第8波より大きくなる可能性もある――。厚生労働省にコロナ対策を助言する組織の有志は、4月中旬に出した見解でそう指摘する。流行は続き、死亡者も増え続ける可能性が高い。重症化リスクの高い高齢者らへの対策は、5類移行後も続ける必要があるとした。

　第8波の感染者の規模は、昨夏の第7波より小さかったが、死者の規模は第7波を上回った。

　なぜそうなったのか。昨秋に感染者の把握方法が変わり、検査をしない人も増えた。感染者の検出率が下がり、実際の感染者数はもっと多かったと推測されている。

　5類移行後は、検査の公費負担は終了し、自己負担が生じる。把握されない感染者はさらに増えそうだ。

　重症化率や致死率は下がってきたが、高齢者ほど高く、厚労省が発表した昨夏時点の80歳以上の致死率は1・69%。沖縄県で22年に亡くなったコロナ患者約400人のデータによると、7割超は70歳以上で、推定された感染経路は入所施設約4割、医療機関約3割だった。

抗体保有率　英国とは異なる事情
　日本では75歳以上の後期高齢者が1900万人超と、高齢化が著しく進む。高齢者らハイリスクの人たちをいかにコロナから守るか。これからが正念場だが、懸念材料は多い。

　国内の献血者の自然感染によ…(以下有料版で，残り719文字)

朝日新聞　2023年5月8日 8時00分
https://www.asahi.com/articles/ASR555Q79R51UTFL01F.html?ref=tw_asahi

大日本は重荷から解放されて復活できる