ワクチンパスポート、いよいよ26日から受付開始やで！

新型コロナウイルスワクチンを接種した人への接種証明書（ワクチンパスポート）の申請受け付けが26日に始まる。政府は海外渡航手続きの円滑化に使う方針だが、経済界からは飲食や宿泊業への支援策として活用してほしいとの声もある。企業経営や法曹界の有識者に、証明書の効果と懸念を聞いた。

片野坂真哉　ANAホールディングス社長
――接種証明書がもたらす経済への効果をどう見ていますか。
「導入は大歓迎だ。海外での入国手続きが短縮され、安心して出張や旅行をしやすくなる。政府は現段階で渡航先への入国時の利用を想定して運用を始める方針だが、帰国時の隔離措置の緩和などにも活用してほしい」
「ワクチン生産国では人の移動が再開している。米国の航空会社は国内便、次いで欧州連合（EU）に向けた大西洋便を飛ばしている。世界的な経済回復の流れから取り残されないようにする必要がある」

――自身も副会長を務める経団連は、証明書の国内利用を提言しています。差別を助長するとの懸念もありますが、どう考えますか。
「国内での活用も間違いなく必要だ。高齢者を中心に接種者数が着実に増加しており、2回接種した人から経済を回していくことが大事だと考えている。航空、鉄道、飲食、宿泊など弱っている経済の復活につながる。ただ『条件にしない』ということが大事だ。証明書の有無で航空機への搭乗を拒否するようなことは絶対にしない。マスク着用など基本的な予防策もきちんと続けるべきだ」

――日本は証明書が紙ベースで、デジタル化した海外から遅れているとの指摘もあります。
「主要7カ国（G7）サミットでも、ワクチンパスポートのデジタル化・標準化の方向性が共同宣言に明記された。政府が各国と話し合って、世界共通でルール作りを進めてほしい。弊社も人の動きのノウハウを持っているので、この分野で協力していきたい」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA218CP0R20C21A7000000