目の紫外線対策が重要な理由「日本人は目の日焼けをしやすい」　眼科医「悪化すると失明の危険も」日傘やサングラス、目薬で目のケアを

テレビ愛知 2023年4月28日 20:27
https://news.yahoo.co.jp/articles/1ecf577795af5378e28477ffe2b4cc52a3751cd9

もうすぐ5月、夏の訪れに合わせて注意したいのが紫外線です。紫外線は肌だけでなく、目にも影響を及ぼすことを知っていますか？

強い日差しの下で対策せずに過ごしていると、最悪の場合失明の可能性もあります。
そんな目の日焼けが起こる仕組みについて、目の紫外線ケアに詳しい中目黒眼科・杉本由佳院長に話を聞きました。

◼目の角膜や水晶体にダメージを受ける

目に紫外線が当たると、体内で「活性酸素」という物質の量が増えます。
この活性酸素には、病原体を殺傷する力があります。活性酸素が増えすぎるとその力が強すぎるあまり、目の角膜や水晶体にダメージを与えてしまいます。これが「目の日焼け」です。

日焼けをすると、数時間後に目の痛み、ごろごろとした異物感、充血、涙が出るなどの症状が出ます。

◼冷たいタオルや保冷剤を当てて目の休息を

症状を感じた場合、目に冷たいタオルや保冷剤を当てて休ませることが有効です。
症状が治まらない場合は早めに眼科医に相談してください。症状を放置してしまうと、病気につながることもあります。

◼目の日焼けによる主な3つの病気

１. 翼状片（よくじょうへん）
目頭付近にある結膜が黒目に侵入することで視力が低下します。写真の左、眼球の白い部分が翼のように見えることからこの名前がついています。

２. 白内障
本来は透明な目の水晶体が、濁って見えにくくなってしまう病気です。進行すると失明する場合もあります。

３. 加齢黄斑変性（かれいおうはんへんせい）
目の奥にある黄斑部（おうはんぶ）が紫外線ダメージを受け、視界の中心が歪んだり暗くなったりします。これまで紹介した病気の中で最も失明の可能性が高く、長年紫外線を浴び続けた50代以上の方の発症が増えています。

◼日本人は目の日焼けをしやすい

杉本院長によると、私たち日本人は特に目の日焼けをしやすいとのこと。その秘密は骨格の造りにあります。
日本人は顔の凹凸が少なく、さまざまな角度から光が侵入しやすいため、彫りの深い欧米人と比べると目から「約1.66倍」の紫外線が当たっていることが分かっています。

また、瞳の色素も関係しています。
「日本人は瞳の光彩の色が濃く、比較的まぶしさを感じにくい体質」のため、目の日焼けのケアを怠ってしまう人が多いんです。

◼UVカット機能のあるサングラスや日傘、目薬を着用

予防方法としては、日常的にUVカット機能のあるサングラスや日傘を活用するほか、UV対策の目薬も有効です。角膜に潤いを与えて紫外線ダメージから目を守ることができます。

杉本院長は「目の病気の自然治癒は難しい。早めに対策をすることが大事」としています。
GWはレジャーやイベントなど、野外で過ごす機会が増えるので、肌だけでなく目の紫外線対策もしっかり行っていくことが大切です。