【反ワクチン】米国のはしか感染、33年ぶりの高水準…感染した患者の92%はワクチン未接種か

米国で麻疹（はしか）の感染者数が33年ぶりの高水準に達したことが7日、明らかになった。米ジョンズ・ホプキンズ大学が発表したデータによると、2025年に入ってから全米で少なくとも1277人のはしか感染者が確認された。

感染者の大半はワクチン未接種者とみられる。

2100人以上の感染者数が記録された1992年以来、最大の感染者数となった。直近の2019年の感染者数（1274人）も上回った。

米疾病対策センター（CDC）が2日に発表したデータによると、3人の感染による死者が確認されている。はしかによる死者が出るのは10年ぶりだ。25年に感染した患者の約92%はワクチン未接種か、接種しているかどうか不明だという。

米国ではMMRワクチン（はしか・風疹・おたふくかぜの3種混合ワクチン）の接種を連邦法上で義務化されていないが、全州の公立学校に通うためには接種する必要がある。同時に、全州では医療的理由でワクチン接種を拒否することができる。42 州と首都のワシントンは宗教的な理由、14州では個人的な信念を理由に拒否できる。

米国ではワクチンの効果や安全性についての議論が政治問題になっている。3月に実施された米ハーバード大学の世論調査によると、子どものはしかなどの予防接種が「とても安全だ」と答えた人の割合は民主党支持者で約8割だったが、共和党支持者では約5割にとどまった。

政権からのワクチンについてのメッセージが混在し、混乱につながっている面もある。

ワクチン懐疑派として知られるロバート・ケネディ・ジュニア米厚生長官は4月6日、はしかに感染し死亡した8歳の少女の遺族とに面会した。

その後、ケネディ氏は「はしかの感染を防ぐ最も効果的なのはMMRワクチンだ」と発表した。

一方、4月9日に米CBSのテレビのインタビューで「ワクチンの効果は急速に弱まるため、何もしてもはしか感染は起こる」と発言した。

ケネディ氏は厚生省の職員2万人を削減し、ワクチンの安全性や効果を議論する諮問委員会のメンバー全員を解任したことで、一部から強い批判を受けている。

米国のはしか感染、33年ぶりの高水準　大半がワクチン未接種か - 日本経済新聞

【ニューヨーク=溝渕美香】米国で麻疹（はしか）の感染者数が33年ぶりの高水準に達したことが7日、明らかになった。米ジョンズ・ホプキンズ大学が発表したデータによると、2025年に入ってから全米で少なくとも1277人のはしか感染者が確認された。...

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