- 1 : 2024/03/18 12:31:38 ???
- いまは2024年だ。タバコが体に悪いことは誰だって知っている。だが、科学者たちは喫煙があなたをどのように変えてしまうのかについて、厄介で新たな事実を発見しつつある。
2月14日、科学誌『Nature』に、フランスのパスツール研究所の最新の研究論文が掲載された。タバコをやめた後も、喫煙は免疫システムに持続的な影響を残すというのだ。
パスツール研究所のミリウ・アンテリア・コンソーシアム(内部環境共同体)に所属するダフィのチームは、500人のフランス人男性と500人のフランス人女性を研究対象にした。被験者は血液を提供し、個人情報やライフスタイルに関する44ページの質問に答えた。
被験者それぞれのサンプル血液をさまざまな反応の引き金となる微生物によって刺激することで、チームは免疫反応が展開する様を観察した。
それぞれの刺激に対して、免疫系細胞から分泌されるサイトカインと呼ばれるタンパク質のレベルを測定。
この値は免疫反応の持続時間と強さの目安となる。ダフィのチームが調べた136の環境要因のうち、11がいくらかのサイトカイン分泌との関連を示した。これは、感染に対する体の反応が変化したことを示すものだ。
肥満度を示すボディマス指数(BMI)と、サイトメガロウイルス(CMV=一般的で通常無症状のウイルス)に感染したことがあるかどうかが、免疫反応に影響を及ぼす二大要素だった。
同様に、喫煙者かどうかも免疫反応に影響した。喫煙者の血液はバクテリアに対して通常より高い炎症反応を示した。
タバコが免疫細胞に与える後天的影響
この炎症増大はタバコを吸わない人ではあまり見られなかった。だが、これ以外の喫煙にまつわる免疫反応の変化は、タバコを吸うのをやめた後も何年もの間、残っていた。
実験で使われた刺激のなかには適応免疫反応を狙ったものもあった。適応免疫反応とは、特定の細胞や抗体が侵入者を攻撃し、それを記憶していることだ。こうした適応免疫反応のなかには、長期に及ぶ変化を示したものもあった。
例えば、喫煙者(現役と元)のサンプル血液が刺激を受けると、インターロイキンと呼ばれる信号タンパク質がタバコを吸わない人の血液より多く分泌される。
何を意味するかというと、喫煙者の白血球が過剰反応する恐れがあるということだ。
タバコの煙は健康を害するストレス要因として知られる。だが、免疫システムに煙がどう具体的に影響を与えているかの研究はされてこなかったと、イェール大学でシステム免疫学を教えるジョン・ツォン教授は言う。
喫煙をやめれば、炎症反応は吸わなかった場合と同じレベルに戻る。だが、喫煙が招いたエピジェネティクスの変化はそう簡単には元に戻らないのではないかと、マンチェスター大学の免疫学者シーナ・クルクシャンクは考えている。
影響を受けた免疫細胞は長生きし、何年間も血流に残る。タバコを吸ったことのある人は、変貌した細胞が死に絶えるまで過去のタバコの名残を体内に抱えて生きていかざるを得ないのかもしれない。
禁煙後もタバコは免疫システムに影響を与え続ける:研究結果
遺伝子のオン・オフを切り替えることによって、喫煙は免疫に長期的な影響を及ぼす。そして、免疫年齢を何年分も進めてしまっているかもしれない。
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