- 1 : 2024/03/02 10:09:08 ???
- 長嶋 修 不動産コンサルタント(さくら事務所 会長)
もはや日本のどこに住んでいても被災する可能性がある。日頃からいざというときの行動、災害に関する備え、対策をしておくことが重要だ。
震災時には、家屋倒壊や火災、津波、液状化などさまざまな災害を想定しつつ、備える必要がある。
中でも重要となるのが住まいに関しての対策だろう。まずは震災時の建物種別ごとの注意点、対策から見ていこう。
木造一戸建て住宅にお住まいの方の場合、自宅の倒壊危険度がどのくらいかを把握するため、自宅の耐震基準を確認しておこう。
建築基準法が改正された1981年より前に建てられた旧耐震基準の住宅は、震度6以上の大きな地震が発生すると倒壊してしまう可能性が高い。
一方、1981年6月以降の新耐震基準では、「震度6強から7程度の地震で倒壊しない」レベルに耐震性能が引き上げられた。
木造住宅においては、2000年に建築基準法が改正。加えて、耐震性能は3つの等級ができ、より厳しい耐震基準が定められることとなった。
過去の震災では新耐震基準であっても倒壊した事例が報告されている。「新耐震」とはいえ、1981~2000年まで大きな幅があり、耐震性能にもばらつきがあることも知っておきたい。
2000年基準、中でも「耐震等級3」の水準は高く、震度7を2回記録した2016年熊本地震においても軽微な被害で済んでいる。
いずれにせよ自宅の現状を確認し、必要に応じて耐震補強を行うことも検討しなければならない。一度はお住まいの自治体が案内する診断を受けるようおすすめする。補助金など耐震改修工事のサポートを行う自治体も少なくない。
また簡易的ではあるが、『誰でもできるわが家の耐震診断』(監修:国土交通省住宅局:一般財団法人日本建築防災協会)を活用し、住まいの状態をシミュレーションしてみるのもいいだろう。
賃貸アパートなどにお住まいの方も同様だ。やはり旧耐震の場合は、倒壊のリスクが高いため、可能であれば2000年以降に建てられた物件を探すよう推奨したい。
また、過去の震災では、賃貸アパートでは、1階部分が倒壊するケースも多数見られた。耐震性が低い賃貸アパートであれば、1階ではなく2階に住むのも一案と言えよう。
耐震等級(2000年~木造住宅)
耐震等級1建築基準法の耐震性能レベル
耐震等級2耐震等級1の1.25倍の強度
耐震等級3耐震等級1の1.5倍の強度
地震大国の日本、今の「住まい」で確認すべきこと
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